ピピピピ ピピピピ
カチャ
目覚ましの音が鳴る少し前から目が覚めた。
いつもならありえないけど今日は特別なの。
だって...
大好きなあなたが帰ってくるから。
「愛奈ー?そろそろ遊くん来るわよー?」
「今行くー!」
急いで制服に着替えて鏡の前でしっかり髪の毛も整えた。
...どこもおかしくないよね?
私、神崎愛奈(カンザキ マナ)は鏡の前で一人そわそわしている。
だってあの人に会うのは5年ぶりだからすごく緊張する...!
遊くんと最後に会ったのは5年前。つまり私がまだ小学6年の時だった。
家も隣どおしで仲が良かったし、もちろん私達も仲が良かったんだ。
でもいきなり転校が決まっちゃった時にはものすごくショックで...
ずっと泣いてた。
その時に遊くんは私に言ってくれたんだ。
『必ずまたお前に会いに行くから...だから...泣かないで...』
結局私は泣き止めなかったけど最後には笑えたから。
今度あったら遊くんに一番に言いたい言葉があるんだ。
がちゃ
ドアを開けた先にいる君へ...
「おかえりっ!!」
一番に伝えたい言葉がある。