「「「え?」」」

「な、何か人影がいるだとか、今度声かけてみよう、だとか…」

「はいぃ!?どーっすんだよこのあんドーナツ!」

「安藤 菜津だけど何か?」

「やっぱ駄目ですね。どーなつちゃんは。私が尾行された時も、すぐ気付きましたから。
バレバレですよ。あんま期待しない方がいいです。」

「そうね。声かけられたら、ここに連れて来なさい。
話をすれば、分かってくれて…入部してくれるわ。頼んだわよ」

「任せなさーいっ!」




がさっ。
あの2人の真後ろで、安藤 菜津は尾行していた。

ふっふ。
2回目だけど、今日は気づかれたって、何も怖くない。
だって見つかったとしても、部室に連れていけばいいだけなんだから!
今の私は、無敵よ!

「な、何かやっぱいるよな」

アイツが空緒って子ね。
見た目は普通ね。

「でも、今日ちょっと遅くない?だから、明日にしよーよ。」

アイツが藤田 悠雨ね。
あれ?いいの?
まあ、いいならいいけど。

…あ!尾行の目的忘れてた…っ。
で、でも今なら、バレない、はずよね!
よし、あの子達がアニヲタかどうか、この目で確かめるわよ!





キーンコーンカーンコーン。
昼放課。
安藤菜津は、一年二組にのぞきに行った。
とはいっても…バレバレである。
廊下を通る人達に変な目で見られていた。

棚の隙間に、入っていた。

せ…せまい…。
でも、任務を任されたんだから、仕方ないわ!