「ふぁぁぁぁあ…」

眠い。
昨日、アニメを見すぎたせいだろうか…。

「あー早く行かないと…って急ぐような部活でもないか。
あ、でも今日、見たい漫画、あるんだった!!」

藤田悠雨。雨霧中学の中学一年生。

彼女は今、あることをきっかけに〝アニメ同好会〟という部活に所属している。





「おはよ」
「おはよ、空緒。」
「じゃ、行くか。…ん?」

この子は、私の友達の、熊木 空緒。
実は私達はアニヲタで、それをきっかけに友達…いや、親友になったの。

「どうしたの?」
「いや…何か視線をさっきから感じるんだけど、気のせいだよな…?」
「え?」
と言いながら、実はさっきからそう感じていた。
試しにチラッと後ろを見ると、すっ と人影のようなものが隠れた。

「んー…まあ、とりあえず、行こっ?」
「そ、そうだな」





放課後。
私達は帰宅部なので、学校が終わると、すぐに下校した。んだけど…
チラッと後ろを見る。するとやはり、スッと人影のようなものが隠れた。

ええっ?学校にまでついてくるの…?
何だか急に怖くなっちゃった。

「どうする?」
「んー…とりあえず、明日も様子見て、明日も人影があったら、声、かけてみよっか」
「そうだな」



「よっと」

私は自分のベッドに寝転がった。
いつも見てくる謎の人影…ま、まさか、まさか…!?

「す、すとーかー?」

わあああああああああああああああああああああああああああああっ!?!?!?
ど、どうしようどうしよう!
ママに言ったほうがいいかな!?
あ、でも、明日 人影がいなきゃいいんだよね。
どうして後をつけてくるんだろう。

「や、やっぱり、私達の体を狙って…!?」

そして、確認するかのように私は、自分の体を見た。
ううっ…
少し太ってる。胸薄い。
…いや、ちがうね!
こんな体を求めてるわけないよね、ストーカーさん!

「明日、無事に過ごせますように…」





「まずいわ」

アニメ同好会の部室。
まだ、悠雨と空緒は入っていない、アニメ同好会の部室。
そこで部員達は、新入生を確保しようと、会議を開いていた。

「やっぱりね。私は最初から安藤さんには無理だと分かっていたわ。なのに、
私がやる、やらせて、とか言うから…」

「だって!私、やったことないから!いつも桜都がしきって!やりたいわよ!
人生経験よ!じ、ん、せ、い、け、い、け、ん!」

「はいはいはい。落ち着いて。部長だもの。私がしきって当たり前でしょう?」

「ぐ、ぐぬぬぬ」