その日はそれで終わり、土方さんに報告だけをして寝た。


まだ起きていた土方さんを少しだけ心配に思ってしまう。


時間的には寝ててもおかしくない時間なのに。


あのままで居たら体壊しちゃうんじゃないのかな?


そんな事で頭の中を紛らせながらも私の意識は冴えたまま。


今日一日だけで色んな事が廻っていった。


彼に言われたこと。



「……まだ一週間あるし、ね」



そう、一週間ある。その間に決めて仕舞えばいい。


その時の私はまだ悠長に構えていた。本当に一週間の猶予があるんだと。






なのに。




「また……⁉︎」



あの日からずっと夜回りの隊に怪我人が増えていた。


最初は一人。


皆気にしなかったけど、日に日にその数は増えていく。


そして、今日は五人。


まだ命に関わりそうな程の重傷を負っている人は居ない。


けどこれは怪しまずにはいられなかった。


珍しく苛立った表情をした斎藤さん。



「くそっ、何なんだ。彼奴は……」

「……彼奴って、誰ですか?」



嫌な予感がする。


背中を伝うじっとりとした汗を感じずにはいられない。


どうか、外れていて……!


でも、その予想は外れていなかった。



「白髪の男が突然現れて隊士を……。

俺に反撃をする隙も与えずに去ってしまった。すまない、俺の力不足だ」



斎藤さんがそう言った瞬間。


足元が崩れ落ちる音が聞こえた気がした。


力が抜けてペタンと膝から崩れ落ちる。


あいつだ。



あの時言っていた後悔するってこの事……?