「おっ! ちゃんと来てくれたんだぁ〜!」
誰?
白い髪を一つに括った少年。
忍び服を纏っていて、その身に纏う殺気は警戒しなければならない。
「じゃあ本題から言わせて貰うね? 紅雪。君は幕府側に付くべきではない。
だから、こっち側に来ないか?」
「何故、お上に付いてはいけない?」
幕府側に付こうと私の勝手。
それに最近市民は荒れてるけど、見捨てる程幕府は廃れてない……と思うのだけど。
「君の正体が知れたら幕府は散々利用するよ? 君の意識なんて関係ない。
殺されるより酷い目に」
「私の正体とは何。知ってるんでしょう?」
「それはまだ言えないなぁ〜。だって、二人きりじゃないし?
出ておいでよー。沖田総司」
誰かいる事だけじゃなくて、名前まで⁉︎
殺気はちゃんと隠してあった。
総司はそこまで弱い訳じゃないし、私も、居ることを知っているからこそって感じだ。
そんな総司の気配を感じたというのか。