「何だよ。……この手紙」
紅雪。私の仕事で使っていた名前まで知っているなんて普通の人じゃない。
新撰組の皆ですら知らない筈なのに。
闇に関わっている人。
その人の事を詳しく聞こうにも男の子の姿はない。
友達の姿さえ消えている。
私の知りたい事を知ってる……?
何故、私は親に捨てられたのか。
何故、私は妖に襲われ易いのか。
この二つはこの十年間ずっと忘れた事は無かった。
最初の内は答えを探そうともしたけれど、もうとっくに諦めた事。
だって、望み続けても意味がない事に気づからせられたから。
でも。
知れるかも知れない機会を与えられた私の中に。
その答えを知りたい自分がいた。
ずっと忘れた事はない。
でもその為に新撰組を離れろだなんて。
「そんなの……」
