そこで、私の涙腺は崩壊。


声が枯れるまで泣き続ける総司は私をそっと抱きしめてくれて。


ついに泣き潰れた私は抱き締められたまま眠ってしまっていた。


そこから後の記憶は無い。


目を覚ますと自分の部屋に。


気になって土方さんに誰が運んでくれたのかを聞くと総司だって返ってきた。



「ったく、急に血まみれのまま飛び出して行ったかと思うと抱きかかえられて帰ってくんだから。

びっくりしたぜ?」



肩を竦めながら言われ、肩身が狭くなる。


それは……言い返す言葉もありません。





そして、それから数日。



「っ、クシュン!」



くしゃみが出た私は鼻を啜る。


助けてくれた事お礼を言いたいのに何となく避けられている気がする。


正直、あれだけ泣いたらスッキリとした。


あの雨の中ずっと一緒に居てくれた総司にありがとうって言いたいのに。


隊務中にそんな事は言えない。だって、あの夜の事は口に出せないから。


芹沢さんは長州の志士に殺された事になっている。


勿論、葬儀に参列した全員、誰が犯人かなんてわかっていた。


その筈。ただ、それが触れてはならないと全員の意識が一致しただけ。