土方さんは、新選組は9月16日に宴会を行うと言った。
新見さんを偲ぶ宴会を。
もちろんそんなのは方便。そこで土方さんは芹沢さんを亡き者にするつもりだから。
計画はこうだ。
宴で酔った芹沢さんの寝静まった頃に襲う。
実行犯は土方さん、総司、山南さん、斎藤さん……それと、私。
私は寝静まったのを確認した後に合流する手筈だ。
「心配ですか? お梅さん」
「何がどす?」
「芹沢さんの事」
何で私こんな話振っているんだろう。
怪しまれるかもしれないのに。
「ふふっ、おかしいどすなぁ。小雪はんの言っている事は。
心配な事などありはしません」
私の言わんとしてる事があまり伝わっていないみたい。
彼女はまだ知らないのだ、危険が迫ると言う感覚を。
こうやって大らかに笑えるお梅さんを少しだけ––––羨ましいと思う。
「さぁ! 芹沢はんはきっと帰ってきても飲むでしょうから、準備をしないと。
小雪はんは寝てて良いですよ?」
「いえっ、私も手伝います。その後に寝させて貰いますね」