芹沢さんは刀を抜き、応戦する。
多勢に無勢かと思われたが、芹沢の方が押していた。
やっぱり、新選組局長の名前は伊達じゃ無いみたい。
「くそっ!」
すると、長州の一人が何かを自分で自分の肌を傷つける。
決して浅くはない傷を。
どういう事……⁉︎
何をする気なの⁉︎
「これなら……!」
「くそっ! そなたらもか!」
そなたら……も?
その人の腕にはびっしりと鱗が生えていて、人ならざる者。
歯軋りをした芹沢さんの耳も狸へと変わってしまう。
まだ昼間なので、それが見間違えで無い事は確実だ。
長州の格段に上がった技量。
一体、何を使って……?
妖術の類いなの?
ただ剣を振るうだけとなった彼ら。
怪我をしても関係ないみたい。
まるで痛みを感じないようにただ剣を振っていた。
私にもその手は及んできて、刀を振り上げられた。
まずい、避けきれっ!