「どうしたんだ? 芹沢さん。こっちまで来る事は無かった筈だが?」
「おう。まぁ、野暮用じゃ、久しぶりに寄ってみようと思うてなぁ。
それに新見が行きたいと申したから……」
「余計な事まで言わなくてもいいですよ芹沢さん」
チッ。やっぱり新見の差し金か。
こっちの動向を確認しに来たって訳か?
山南さんに退席してもらっていて正解だったな。
新見が余計な手まわししだしそうだし。
案の定、はっきりとした確信をつかめずに悔しそうな顔をしている。
「芹沢さん、そろそろ戻りましょう。お梅殿も心配致します」
「分かっとる。土方からも小雪に伝えて置いてくれ!
今日は休みを貰っておるようで心配だが……」
その小雪は此処に居るんだけどな。
どうやら何かと理由を使ってここまで来たらしいな。
そこまでして俺に伝えたい事……何だ?