いつも通り、天井に空いた小さな穴から覗き込む。
まぁ、代わり映えしないんだろうけどな。
けれど、そこから見えた景色に唖然とした。
「っ⁉︎」
そこには、芹沢さんと思わしき人物と新見さんと言う芹沢の部下たちと宴会をしている所だった。
その光景自体はいつもと変わらない。
お梅さんがべったりと芹沢にくっ付いている事も、酒臭い匂いが漂っているのも。
でも、一つはっきりと分かる違和感。
「尻尾……?」
芹沢のお尻の付け根から尻尾が生えていたのだ。
それに耳まで。
狸のような尻尾に耳、それとあの腹を合わせれば狸にしか見えない。
……うん。他に表しようがない。
なんて、現実から逃げている暇なんてなくて!
