「ん……」
目を覚ますと窓の向こうからは朝日が差し込んできていた。
いつもの部屋とは違うことに違和感を一瞬感じながらも昨日のことを思い出して納得する。
でも、余計なことまで思い出してしまい顔が赤くなり、まだ寝ている総司から体を捩って布団から抜け出した。
畳の上で丸くなっている襦袢を着ていつも通りの格好へと着替える。
まだ地味に痛いところとかあるけど……大丈夫だろう。うん。ダイジョウブ。
あとは髪をまとめるだけといったところで後ろから引き寄せられた。
「そ、総司」
「はよ。……さゆ、早くない? まだ眠いんだけど……」
「駄目だよっ。早く戻らないと!」
私は一月も休んでいた分ちゃんと働かないと。
そう目で訴えると重いため息を吐いた総司はノロノロと着替えだした。
亀だ。その速度遅すぎるでしょ。
ようやく全部を着た総司はまたゆっくりとした動作で髪を結おうとしていたので手に持っていた紐を取り上げた。
「何すんの」
「遅いんだもん。だから私が結う」
手ぐしで総司の髪を梳く。私の髪と違う感触にずっと触っていると何してるのと注意された。
耳の後ろの方でその髪を纏めると紐で結んだ。
「よし」
上出来だ。
自慢げに腰に手を当てているといつの間にか立ち上がっていた総司に抱き上げられる。