妖しの姫と天才剣士




「嫌ならちゃんと言ってね。……少しでも進んだら、僕止めれる気しないから」



優しげに細められる瞳に隠された炎が見て取れる。


その炎に焼かれることを考えるだけで背筋が震える。


けど。



「いい……」

「え?」



真正面から視線を合わせられない。恥ずかしすぎて死にそうだった。



「総司なら、私の全部あげるか」



あげるからと言おうとした口を塞がれる。


息も奪われるくらい激しい接吻に私は既に限界がきそうだ。



「ん、ふっ……!」



襦袢も肩からずらされ、ぽわぽわした私に反抗する力なんで残ってなかった。



「そ、そうじっ」

「何?」

「あ、その……。や、優しく……してください」

「うん。まぁ……善処するよ」

「ぜ、善処!?」



なんですかその曖昧さ。





横で軽く瞼を伏せた総司の手に自分の指を絡める。



「どうした」

「大好き」

「大好きだよ。総司」



総司の額に自分の額をくっつける。


総司は開いた別の手で私の体を抱き寄せた。



「僕も……大好きだよ。愛してる」



いろんな感情を孕んだ声で耳元で囁かれる。


想像のさらに上をいった総司の答え。


ああ、幸せ。


今日、また私と総司は深く繋がった。


心も、体も。



その幸福感を体いっぱいに感じながら私は目を閉じた。