とぼとぼ歩きながら着いたのは最初に着替えさせられた部屋。


見事な手つきで脱がされ、湯浴みにまで回された。


丁寧に髪の毛を拭いてもらうと未だに芸妓姿の佳鈴さんに部屋にまで送られる。


もうすでに酔いは抜けていて帰っても問題はないんだけど、土方さんはきっとそういう意味で言ったわけではないだろうし。


考えるだけで恥ずかしい。頭が茹であがりそうだ。



「ふふっ。ういういしゅうございますなぁ」



妖しく笑った佳鈴さん。その姿に肩が重くなって仕方なかった。



「じゃあ、私はここまでどすのであとはごゆっくり。

沙雪はん、頑張っておくんなまし」


口元を袖口で覆うと奥の方に進んでいった。


ある部屋の前でポツンと残された私。


この部屋の中に総司が居るってことだよね……。



「し、失礼、しまぁす」



恐る恐る障子を開けるとバッと開けてさっと閉めた。