妖しの姫と天才剣士




「よお! 沙雪が目ぇ覚ましたって聞いて飛んできたんだけど……」



日の光を後ろに背負った藤堂くん。その顔はポカンってした後、みるみる赤く染まって……?



「……それ、はだけてんぞ。茅野」



酒を持って現れた左之さんに言われて視線を下にやる。


襦袢が捲り上がり太ももから下が露わになってるし、なんやかんやしていたせいで前が空いてあられもない姿になって……



「うわああっ」



慌てて総司から離れ、整える。


ああ、恥かしっ。……今までとは少し違った意味で。


……よくよく考えたら結構やばい格好だよね、これ!?


人様を迎える格好じゃない。



「藤堂くん、総司……」



まだ顔の赤い藤堂くんと首をかしげる総司を押し出すと。



「ちょっと着替えるから待ってて!」



そう叫んで、バタンと障子を閉めた。