「沙雪?」

「おはよ」



ゆっくりと目をあけた総司の瞳に映る私の姿は着物から出ているところのほとんどが包帯。


はは。相当重症だったみたいだ。


今はあの時の痛みなんてこれっぽっちもないけどね。


若干引きつった笑みを浮かべた私。



「……! さゆ!」



体を起こした総司は驚いた表情をしたまま私を見る。


私が目を覚ましたの、そんなに驚くことなの?


……信じられないのかな?


信じてくれるよう、私はのろのろとした動きでだけれどもう一度総司に向かって



「おはよう」



と、声をかけた。


その瞬間、また目のあった総司の瞳には----!



「っ」



気がついた時には総司の腕の中にすっぽり包み込まれていた。



「そ、総司?」



顔を上げようとしても総司の手で上を向くことを阻止されて、顔を伺えない。


それでも、総司は。



「泣いてるの?」