真っ白に染まってる世界に戻ってきた私の頰を伝う温かいもの。


こんな時に慰めてくれる、安心させてくれる腕はここにはない。



総司……総司っ!

『なぁんだ。まだ、不完全か。

……僕と君の繋がりはまだ浅いみたいだね』



手に落ちる涙の雫。


でも、こんなところで俯いている暇はない。


戻らないと。憎しみをかかえていても総司は喜ばない。



『チェ、つまんなぁい。いやでも面白いのかな?

でも、しばらくは向こうの体は僕のもの。

だから、おとなしくしてて。悪いようにはしない』



いつの間にか両手足に枷が填められている。



なっ!



そう声に出そうとしても声すら封じられているよう。



地面が瓦解してなされるがまま穴に落ちていく。



必死に上に手を伸ばしても何も掴むことができずに意識は暗闇に沈んでいった。