「総司たちは?」



総司の姿が全く見えない。前は一緒に居てくれたのに。


って、いやいやいや! それが当たり前じゃないし!


惚気なのかなぁ〜、これ。



「……その話は茅野くんが着替えてからにしましょう。

その状態は気持ち悪いでしょう」



優しく微笑みながら山南さんは部屋を出て行った。


気付いてたんだ、濡れてるの。


その気遣いに感謝しながら置いてあった手拭いで汗を拭い、着物を着替える。


その足で山南さんの部屋へ向かうと山南さんは書類に目を通していた。



「総司たちは、何処に行ったのですか」



この屯所は静かすぎる。病人の隊士の姿しか見当たらなかった。


もしかして……。



「沖田くんたちは市中へと出ました」

「っ!」



それは、つまり。



「尊皇派の会合を御用改めに」



ばくばくと早鳴る胸を握り締める。あの夢が正夢になりそう。


そんな予感がする。