妖しの姫と天才剣士




「おいおい、土方さんよ〜。何でこんな朝っぱらから呼び出されるだよ」



最後にやって来た左之助さんが大欠伸をしながら胡座をかく。


その様子を呆れた様子で見ていた土方さんは辺りを見回した。


幹部の人たちと私。……まぁ、私は特例だろうけど。


一応まだ平の隊士だからねぇ〜。


この場に居合わせた理由は私も古高が吐いた内容を知っているから。



「これで、全員が揃った訳だな。……話していいか? 近藤さん」

「ああ。……頼んだぞ、歳」



ここにいる人の殆どが呼び出さた理由を知らない。


知ってるのは、私と総司と土方さんと近藤さんだけ。


斎藤さんとかは見当付いているのかもしれないけど。


あとは捕縛してきた藤堂さんとかも?



「今日の早朝捕縛した枡屋喜右衛門。本名、古高俊太郎が……吐いた」



一気にピリピリとした雰囲気を醸し出した土方さんに全員が静まり返った。