「好き、か……」



その言葉だけでニコニコする私って安直だなぁ。



「あ〜っ、もう限界」

「?」



疑問符を浮かべた私を総司は布団の上に押し倒した。


ばさっと広がる髪を掬い取られ、口付けを落とされる。


覆い被さった総司は熱と危ない光を帯びた瞳で私を見つめてて。



「我慢、出来そうにないや」

「は?」

「可愛すぎるさゆが悪いんだよ? まぁ、離れてた分余計に触れ合いたいっていうのは否定しないけど」



口元の笑みに強張った私の体を押さえるように唇を落とす。



「ふ、んぅっ……」



促されるようにして開かされた口に舌を絡められて、声が漏れる。


肩が震えて、らしくない声が自分の耳にも聞こえた。



「さゆって、本当可愛い」



チュッと音が鳴って離された唇。


少しだけ離された顔には何か、底知れない感情の色が見て取れた。


静かだけど、確かな炎が揺らいでいる。


その正体を知ろうと顔を覗き込もうとするけど、顔が見えなくなってしまった。



「っあ⁉︎」



首筋に埋められた顔。


こしょばゆいというか、肌がゾワッて。


その横で何かを必死に抑えようと布団を握り締める総司。


どう、したの?



「ねぇ。ちょう……だい、さゆ」