そう言うと乾いた笑い声を上げた総司は真っ直ぐ私を見つめた。
「独りにして、悲しませるのだけは絶対に嫌だった。
僕のせいで新選組なんて場所に身を沈めさせてる引け目もあったし。
だったら、生きている間から離れていようかなって。
そしたら、悲しませなくて済むかなってね」
そん、なの。違う。
総司は私の気持ちに気づいてなかったの?
「身勝手すぎる。その間っ、私がどれだけっ。
嫌われちゃったって、ずっと、寂しくて、悲しくてっ……!」
一人で行く総司との距離があまりにも遠くて。
冷たい背中は私が近づく事を許してはくれなかった。
目からまた涙が溢れて止まらない。
「知ってる。
そんなのただの逃げだって。死にゆく僕は傷を少しでも浅くしたかっただけって。
さゆが傷つくのは分かってた。でも、さゆを僕はずっと放っておいてしまった。
許して……なんて言える立場じゃないけどね」
涙を拭う総司の指。
「許してくれる?」
「……駄目…………」
大好きすぎる。
許すとか許さないとかの問題じゃない。
男の人なのに細い指。そこ感じる温もりも全部が大好き。
その指を優しく振りほどくと、そっと––––。
