妖しの姫と天才剣士




「僕の体はね、呪符の禍で病魔に犯されているんだ」



何……それ。呪符って、あの時の––––!


振り返った私の顔を見て悲しそうに笑った総司。



「症状は労咳に近いんだけど、お医者からは体に何の異常もないって。

で、山崎くんに見せたら禍が僕の体を壊してるって。

治し方も分からなくて、進行を緩めるくらしいか出来ないって言われちゃった」



それって、治らない……?



「最近それすら効かなくなっちゃってさ、吐血ばっかり。

もう、分かるんだ。僕の体は結構限界だって」



限界って……総司が死んじゃうってこと?



「そ、それって……私のせい、か」

「さゆのせいなんかじゃないってば。最後の詰めが甘かったんだ」



総司は私の事を全く責めてない。


でも、その原因を作ったのは私。私が由羅との戦いを受けたから––––!


私が、総司の人生を狂わせた?