妖しの姫と天才剣士




ガタッ


ん……? 何の音?


眠気は取れないけれど、目を開ける。


外はもう真っ暗で、月の光が外から射し込んでいた。



もう、夜か……。


体を起こすと肩に掛かっていた新選組の羽織りが滑り落ちた。


私、自分でこんな物掛けたっけ? いや、掛けては無い。なら誰が?


総司の顔が浮かんですぐに自分でその選択肢を消す。


総司が私の居場所を知ってるはずないじゃん。



「ないないない」



誰だろ、斎藤さん? 藤堂くんたちは無いだろうし、土方さんはもっとない。


近藤さんは……あり得なくもないけどやっぱり無いかな。


本当に誰だろうな。今の時期、夜でもそんなに寒く無いのに。


ん……? 夜? 今日の見回り当番って一番隊と三番隊だったような……。


ん。一番隊⁉︎



「…………寝過ごした……⁉︎」



それを自覚した途端、半分しか覚めてなかった意識が覚醒する。


ダラダラと嫌な汗が流れるのを感じた。


やばい、隊務を疎かにしたら土方さんにドヤされるっ!