妖しの姫と天才剣士




そのまま一言も喋らずに歩き続ける。



「はぁ〜。やっぱり駄目だね」



元の部屋だった、物置部屋に入る障子を閉める。


と同時に腰から力が抜ける。


少しだけ冷んやりとした床に寝転んでいると瞼が落ちてきた。


髪を結んでいる紐を解くとそのまま目を閉じる。


手に触れる温かい指。


誰の物か確かめたくて目を開けたくても眠りかけた意識は覚めてくれない。



「沙雪。––––––––––––––––––––だよ」



誰が、私の名前を呼ぶの?


何て言ってるの?


その声を総司だって期待している自分がいる。


夢…………か。



私の事嫌ってる筈の総司が私の傍に居るわけ…………ない……もん……ね。