「茅野殿には話さないのか」
「…………話せるわけないでしょ。山崎君なら勘付いてるんだよね」
僕の体を崩れ始めた原因を。
「それを知れば彼女がどういう反応をするのか」
君なら分かるでしょ?
「余計な気遣いはさせたくないんだよね」
目の前にまで上げた手。まだ、この体は動く。なら大丈夫。
動くなら、戦える。体が動く間だけは、新選組一番隊組長で居られるから。
「僕は剣、新選組の剣。剣は物言わない」
それが僕の誓い。
物言わずただ、敵を斬るだけ。……だった筈なんだけどね。
悪あがきしてでも生きたい、そう思う理由が出来た。
「山崎君は心配しょ〜だなぁ〜。そんなに僕の体は柔じゃないんだから〜」
ぽんぽんと肩を叩こうとした手を掴まれる。
「本気で分かっているのだな? ……そのままだとお前は」
「もって一年、半年後ぐらいじゃないかな?
最悪……今ぽっくり逝ってもおかしくない」
そんな事ぐらい分かってるよ。自分の体だ。
かなり早い速度で壊されていることくらい。
それでもね。