「な……な……な……っつ⁉︎」
相変わらずだなぁ。『恋人』って言うだけで赤面するなんて。
もう結構経ったのにそういう事に慣れないんだもん。
手繋いだり、抱き締めたりしかしてないのに。
まぁ、初心な反応を見てるのは楽しいけどね。
からかうのはいつ何時、誰であろうと楽しいものだから!
「もう……総司の事なんて知らないっ!」
顔を真っ赤にしながら走り去って行ったさゆ。
揶揄われた事に怒ったかな? そんなさゆも可愛くて、好きなんだけど。
「……で、山崎君。僕に何の用?」
建物の奥に潜んでいた山崎君に声を掛けた。
「…………バレていましたか」
「当たり前でしょ。この僕だよ?」
自信満々を装った僕の言葉に山崎君は苦笑を漏らす。
と言ってもほぼ無表情だからすっごい分かりづらい。
多分、親しみのない隊士とかがあったら無表情にしか見えない自信ある。
僕には分かっちゃうけどね。だってそういう所、一君に似過ぎ。
わかりにくそうで、すっごい単純なんだよ。
「もう一度聞くけど、何の用?」
コテンと首をかしげてみせる。
「総司は分かっているのか? 自分の体の事」
「モッちろ〜ん。僕の事は自分が一番分かってるから」
山崎君が心配してるのってその事?