妖しの姫と天才剣士




結局私の話はそれで終わって、あとは雷狼さんと土方さんの話だった。


その間風鬼さんはつまらなさそうに部屋の中をウロウロ。


頭の痛くなるような話は苦手なんだろうね。


失礼だけど外見も、性格もそれっぽい。


影梟さんは山崎さんと黙って座り、水狐さんと斉藤さんは二人でじっとしていた。


その間、私はと言えば……。



「総司……良い加減離して……」



まだ、総司の腕の中。ゆらゆらと揺れる総司に合わせて私も揺れる。



「だ〜め。逃げようとした罰だもん」



ぎゅうぎゅうと抱きしめられ、コツンと肩に頭が乗っかる。


肩に乗せられた頭は重かったけど、嫌な重さじゃなかった。



「本当は見せ付けるならもっと別の人が良いんだけどさ。

平助とか、左之さんとか。

ここにいる人たち面白くないもん。反応薄いから」



あ、遊びに私も付き合わせないでよ……。


とは思いつつ、この状況を少しだけ楽しんでいる私。


最近総司忙しそうにしてて、こんな風に出来ないし。


……せっかく恋人同士になれたのに会えるのは隊務だけ。


勿論、そんな場所でこんな事出来る訳ない。


寂しいなんて……私が言えるわけない。