妖しの姫と天才剣士




「ちょっと離れようかな〜って思ったんだけど……。

ほら、私邪魔だったでしょう?」



身振り手振りを使い、冗談めかしてそう言うと明らかに機嫌を損ねたみたい。


やばい、今の内から逃げないと……!


逃げようと総司に背中を向ける。


が、しかし腕を引っ張られると完全に腕の中に囚われた。


あの……まだ、皆居るんですけど。


今まで表情を崩してこなかった山崎さんまで驚いた顔してますよ⁉︎



「おいコラ。こんな場所でイチャイチャしてんじゃねぇよ。

まだ、話は終わってねぇ」

「知らないですよ〜だ。僕は僕がしたい様にします」



更にぎゅっと抱きしめられる。


総司は良いだろうけど、私は良くないのっ!


ジタバタ暴れたら更に暴れれないように拘束されるし。


土方さんも諦め顔。そこは諦めないでよ。


その直後に真っ赤になって俯いた時点で私の負け。


誰も助けの手を差し伸べてはくれないもん。


左之助さんとか、藤堂くんとか、永倉さんとか居たら止めてくれると思うのに〜!


この人たちは止めてくれない。



「姫様と……主がなぁ〜。面白い組み合わせだ」