「おじさ〜ん! 買いに来たよ〜!」

「よぉ! 総司! 久しぶりだなぁ!」



店に着くと戸を盛大に開けた沖田さん。


いつもこれが普通なのかな……?



「今日はどうしたんだ? まさか、修理とかじゃねぇよな?」

「まっさかぁ! 今日は新人の道具を買いにね。ね、茅野ちゃん?」



呆れ顔をした店主の人に沖田さんは手を横に振る。


その光景を横目に入れながら私は店においてある刀に目を取られた。



「ねぇ、茅野ちゃん?」

「?」

「何ボケって立ってるの?」

「あ、ごめんなさい」



周りに注目しすぎて、二人の会話を聞いてなかった。



「おお、どうしたんだお嬢ちゃん。何かお目に掛かるものが?」

「いや……あれが気になって」



私が指差したのは壁の右側に掛けられた刀だった。


刀の事なんてろくに知らない私が目を惹かれた刀。


なんとなく、興味が湧いた。



「おお! 目利きいいねぇ! それは名匠の作でなぁ!」

「いいよ、おじさん。その話は一くんが来た時にでも語りなよ。

僕は興味ないし」



今までの言い方は何だったのかと思うほど冷めた沖田さんの声。