「ああ〜っ。駄目だ」
「ど、どうしたのっ⁉︎」
首に埋められた顔。首筋にチクチクと髪の毛が刺さってこそばゆい。
「何かずっと茅野ちゃんと居ると自分を抑えられなくなりそう」
「抑えられなくなるって……何を?」
唇に触れた指。怪しげに光る瞳が恐ろしくて聞かなきゃ良かったと後悔。
「気にしないで」
「まだそれで良いんだよ、茅野ちゃんは。後々分かるから。
てか分からせるから」
分からせるって……何をするつもりなの、総司。
「さぁ、寝よっ。茅野ちゃ––––ん」
「どうしたの、総司」
ぽふっと布団に横になった。
「何か他の呼び名考えて良い?
少しでもいいから茅野ちゃんの特別になりたいんだ」
特別って響きがなんだか嬉しい。でも、呼び方を変えるって言われても。
藤堂くんに左之助さん、永倉さんは私を沙雪って呼んで、
山崎さんは茅野さんと呼ぶ。
土方さんと斉藤さんは茅野と呼ぶ。
「さゆ」
「……?」
「沙雪の略。沙雪ってはあの三馬鹿が呼んでるし、茅野っているのは他人行儀だし。
だからさゆ。駄目なの?」