妖しの姫と天才剣士




「あのっ! 雷狼……さん。質問いいですか。

『ん? 何だ』

「何で私の事を『姫様』って呼ぶんですか?」



自分で言うのも何だけど姫なんて呼ばれる柄じゃない。


京の町の女の子とかと比べても可愛げないし、

そもそもそんな風に呼んでもらえるような立場でもない。


第一、私は元が付くけど殺し屋だ。


そんな可愛くて持て囃されるような姫なんて言葉似合わない。


それとも、私の血が影響してるの?



『……そのような事を言われても姫様は姫様だ』

「………………」



だから、その理由を聞きたいんですよっ!


分かってるのかな?



『その話は長くなる。

また今度時間がある時にでもじっくりと話してやるから今日の所は帰れ。

主人がもう限界だ。我はここで退散させてもらう』



雷狼は軽く地を蹴って消えた。


いつの間にか他の妖たちも居なくなってる。


土方さんたちがどこかに消えたからかな?