バチィッ!
刀とぶつかった雷が弾ける。
「っ! 何それ、あれでも本気出してなかった訳⁉︎」
そんな焦った声出さなくても良い。
振るう刀で着実に奴は追い詰める。
そして、確実に殺す。
それが単なる罪滅ぼしのようなものであっても。
何も出来なかった自分の。
分かってる。
もうとっくに。
守れなかった責任転嫁だ。
いくらこうして刀を振るったって、奴を殺せたとしたって。
俺は一番大切な人の命を奪ってしまった。
命は、決して取り返すことができないのに。
「ツッ!」
飛び散った奴の血の向こうで、俺は驚きの光景を見てしまった。
「…………茅野、ちゃん…………?」