妖しの姫と天才剣士




その様子を見ながら苦笑を零した近藤さんと土方さん。



「あっれれ〜? 土方さんに、近藤さんに、総司に、左之さん?

皆集まって何してんの〜?」



後ろから聞こえてきた声に私は振り返った。


道場の扉からひょこっと顔を出した少年。


彼は私の姿に気がつくと近づいてくる。



「あんた誰? 新入り?」



色素の抜けた髪を少しだけ結んだ彼。


くるっと丸まった毛先は犬の尻尾のようだと思った。


彼は私と同じくらいの身長で、私の方が少し小さいくらい。


沖田さんたちと並ぶと多分小さい。


更に、大きな瞳は彼の印象を幼くしていた。



「私は、茅野沙雪。……今日からお世話になります」

「へぇ〜⁉︎ なんか君、土方さんと並ぶくらい美丈夫だねぇ〜! もてたでしょ?」



もてたとか言われても、私女ですし。


それに夜の世界でばっかり過ごしてきた人なのでそんな事知りません。


いや、でもこの顔は役に立ったか……? 


どっかのお偉いさんの暗殺には。


結局、何も返さなかった私に彼は何も言わなかった。


遠慮したとでも思ったのだろうか?


どう思われていても構わないけれど。



「俺は藤堂平助。八番隊隊長だよっ。よろしくね、沙雪」



この人も幹部なんだ。


小さいのに。なんて失礼なことを思ったのは秘密だ。


言ったら絶対に怒られる。


小さいこと気にしてそうだし。