妖しの姫と天才剣士




「…………チッ。やっぱり、湧いてきやがるな」



また木の茂みから妖がぞろぞろと。


あれだけ倒したのにまだ居るの?



「斉藤、山崎、総司。お前らも、『使える』か?」

「はい」

「ええ」

「僕ここからでもいいの〜? なったら全然大じょ〜ぶ!」

「……うっせぇ! ならさっさとやれや!」

「は〜い」



総司は私の手を離して収めていた刀を取り出した。


斉藤さんも一度は抜いた刀を戻し抜刀の構えをする。


山崎さんは苦無を収めて小刀を取り出した。



「おいで雷狼《ラオ》。暴れさせてあげる」



キラリと総司の瞳に金色が回ったかと思うと。


ゴオオォォン!


途轍もない爆音と共に戦場を雷が斬り裂いた。