妖しの姫と天才剣士





「残念だったな。そんな事を受け入れる訳には行かない。

こいつだって俺らの仲間だ。仲間を売るなんて事、俺は絶対にしない」



そう吐き棄てる土方さん。


私はその発言に驚いた。


大事の為に小事は切り捨てる、そう言う人だと思ってたのに。


私のことも切り捨てるものかと。


それは由羅にも予想外だったらしい。



「まさか、君がそんな判断をするなんて〜。……見損なったよ」



由羅は懐に手を忍ばせた。



「やり合うつもりなのかよ。この人数差で」

「そうだねぇ。それも良いけど」



由羅の目が赤く染まる。


その目に変な既視感を覚えずにはいられない。


ああ、あの時の目。あの男と同じ目をしていた。


昔、両親を殺した男と。