妖しの姫と天才剣士




ああ、そっか。


総司が居るから、かな?


総司が近くに居ると思うだけで何かが溢れてくる。


今までの恐怖も全て別のものに塗り替えられて温かなものに。


その温かさはゆっくりと私の体を巡っていった。


冷たくなっていた手を溶かした熱は心をも溶かす。





私の周りに居た最後の妖を倒すと辺りを見回した。


そこにはもう何の姿もなかった。


刀を収めた総司と険しい表情のまま刀を持った土方さん。


怖っ!


両方表情が険しい。


月明かりに照らされてる所為か余計に恐ろしさを抱く。


それに何だか、土方さんの刀がぼわっと光ってるように見えるのは気のせいだろうか?


そこにまで土方さんの恐ろしさが出てるような気がして恐ろしい。


勿論、目の錯覚だろうけど。


刀が光るなんてありえない。


うん。……その筈だ。