妖しの姫と天才剣士




上下黒。我ながら可愛げの欠片もないな。


最後に髪を括りあげて。



「よし」



そこで肩に掛かる髪を見て思った。



「長いな…………」



高い位置で結んでも腰くらいまである。


伸びすぎだなぁ。


切ろうかな……。


総司と同じ位まで。



「お、茅野」



部屋を出て、障子を閉めた時に声は掛けられた。



「ご無沙汰です。土方さん」

「やっぱ、抜け出さなかったな。後三日は大丈夫か」

「だから、私は逃げ出しませんって」



土方さんの思惑通りに進んでいるのが気に食わないが仕方ない。


実際その通りだし。



「まだ心配してるんですか? もうあんな真似はしませんよ。

……どう頑張っても無理ですから」

「けっ、よく言うぜ」



心外だ。


もう逃げ出す気なんて更々ない。


これだけ土方さんに睨まれていたら……ねぇ。


無理無理。