「ふふっ。茅野ちゃん、寝るの早いね」



まぁ、茅野ちゃんは僕の方が先に寝たと思ったみたいだけど。


寝たふりだったり。


寝れる訳ないじゃんか。こんなに近くに君がいるのにさ。


長い髪を珍しく下ろした茅野ちゃんの髪に触れる。


するすると滑り落ちる感覚。


何だかやみつきになりそう。







「…………ん…………」



心地よさげに寝ている顔。


普段の険しい顔とは全く違って可愛い。



「そ……じ……」



ふぇ?


な、何で僕の名前を?


声に出すのは防げたけど、顔がおかしなことになってるだろうな。


茅野ちゃんが寝ててよかった。



「ごう……じょう……すぎ……。さむ、い…………ら」

「…………くすっ」



それは僕に対する愚痴。


苦笑が溢れる。


寝ててもまだそれ引きずってるの?


何度言っても聞かなかったこと。



だって仕方が無いじゃないか。


この距離で一緒に寝るなんてどんな試練だよって。




土方さんが諮った事だけは分かる。