「あと、入るんだったらノックぐらいしてよ! ビックリするじゃん!」
「あぁ、それは悪かった」
だって桜菜がひとりで話してるから、気になって思わず……。
っていうか、桜菜の部屋着姿、やべぇ……。
ラフなTシャツに、太ももが見えるほど短いズボン。
桜菜は無自覚に煽ってくるから困る。
「……なに?」
じっと見ていると、不思議そうに聞いてきた。
「っべ、べつに!」
俺はハッとしてあわてて目をそらす。
「なにか言いたいことがあるなら言えば?」
そう言って桜菜がベッドに座ったまま、顔をのぞきこんでくる。
自然と上目づかいになる桜菜。
ドキッとして目をそらして、視線を落とした。
が、しかし。
上から見ると、Tシャツの隙間から下着が見えて俺はあわてる。
やっ、やべぇ。
抑えろ、俺。
ガマンするんだ。
「なっ、なにもねぇよ! はやく寝ろ! おやすみ!」
俺はその場から逃げるように部屋を出た。
「はぁあ~~」
自分の部屋のベッドに寝転んで、息を吐きだす。
クソ……桜菜のヤツ、なんであんなに無防備なんだよ。
初日からこれで、本当に俺……耐えられるのか?
俺と桜菜は、これから家族になるかもしれない。
家族に恋愛感情を持つなんて……許されない。
でも、やっぱり俺は桜菜が好きだ。
俺のこの想いは、どうすればいいんだよ……。



