オレンジジュースを飲みながらそんなことを考えていると、リビングのドアが勢いよく開いた。
「なぁ、親父―。俺のケータイの充電器知らねぇか……って、お前……!」
「えっ……」
リビングに入ってきた人物を見て、私は目を疑った。
「は、林……」
「お前、なんでここに……っ」
お互い目を丸くする。
「琥汰、今日から3ヶ月一緒に暮らす、宮咲由紀子さんと桜菜ちゃんだよ」
「ウソだろ……」
私も林も、開いた口がふさがらない。
「あら、琥汰くんと桜菜はお知り合い?」
「クラスメイト……です」
林が少し動揺した様子で答えた。
ウソウソウソ。
息子さんって……林のことだったの?
ということは、私と林は、いずれ兄妹になるかもしれないってこと、だよね?
ありえないんだけどー!!
「えー! そうなんだ! まさかこんなところでつながりがあるなんてね! ビックリ!」
お母さんはうれしそうに言うけど、私の心はバラバラだった。
そうか……。
だから今朝、林はあんなこと聞いてきたんだ……。
イヤだ……大嫌いなヤツと同居なんて……。
誰か……ウソだと言ってよ。