「はい、とうちゃーく」
お母さんが車を止めたのは、キレイな一軒家の前だった。
うちとはちがってすごくキレイで広そう……。
荷物を持って、お母さんがインターホンを押す。
「……あれ?」
インターホンの近くにあった表札を見て、私はドキッとした。
「林……?」
その表札を見たとたん、頭に浮かんだのは、あの憎たらしい林の顔。
いやいやいや、そんなワケないよね。
偶然だよね、きっと。
林なんて、めずらしい名字でもないし。
『はい』
「あ、宮咲です」
『あぁ、由紀子(ゆきこ)さん。すぐに出ますね』
由紀子っていうのは、お母さんの名前だ。
このインターホンの向こう側にいるのが、新しくお父さんになる人なのかな?



