「ただいまー」
「おかえり、桜菜」
いつもどおり、お母さんが迎えてくれる。
「着替えて支度しなさいね」
「うん」
自分の部屋に入って全身鏡の前に立つ。
「……よし」
気合いを入れると、制服から着替えて支度をした。
「お母さん、準備できたよ」
「そう、じゃあ行こうか」
少し多めの荷物を持って、車に積んだ。
少しの間、この家とはおさらば……いや、もしお母さんが結婚することになったら、もうあんまり来なくなるかもしれないんだ。
私は和室に入って、お父さんの仏壇の前に立った。
「お父さん、お母さんが新たなスタートを切ろうとしてるんだ。見守っててね」
そう言って、お父さんの写真を手に取ってカバンの中に入れた。
「桜菜―、行くわよー」
「はーい!」
玄関からお母さんに呼ばれて、外に出る。
そして、私はお母さんとともに新たなスタートを切る場所に向かった。



