あっという間に放課後になり、私は律と一緒に学校の最寄り駅まで帰っていた。
律の最寄り駅は学校の最寄り駅と同じで、いつも一緒に帰っても、そんなに長く一緒にはいられない。
「いよいよだねー、新しいお父さんと息子さんとの同居」
律が楽しそうに言う。
「はぁ……本当に大丈夫かなぁ」
「なに弱気になってんの! お母さんのためにもがんばりなよ」
「うん、がんばる」
同居してみて、雰囲気を見るって言ってたよね。
だから、その新しいお父さんとも息子さんともいい関係を築いて、お母さんが結婚できるように導いてあげなきゃ。
「桜菜なら絶対、大丈夫! なにかあったら言ってね」
「うん……!」
そうだ、私には律がいる。
私には律がいてくれるから、きっと大丈夫。
自分に言い聞かせるように心の中で唱える。
「じゃ、また明日ね」
「律、ばいばい」
駅に着くと、律に手を振り、電車に乗って家に帰った。



