教室に入ると、私は律に抱きついた。
「律~聞いてよ~!」
「なによ、朝からうるさいなぁ……」
律はまだ眠そうだ。
「昨日ね、お母さんが結婚を前提にお付き合いしている男性がいるって急に言ってきて……」
「へぇ、よかったじゃない。桜菜、お母さんが前に進めたらいいなってずっと言ってたじゃん」
「それはそうなんだけど……。問題はそこじゃないの! 今日からその男性と、息子さんと同居するって言われて……あまりに突然すぎて心の整理がつかないっていうか……」
「えぇ!? マジで?」
「3ヶ月同居して様子を見て、うまくやっていけそうだなって思ったら結婚するって」
「うわぁ……なんかすごい急展開だね」
ほんと、急展開すぎるよ……。
「しかもその息子さん、私と同い年らしくて、うまくやっていけるかどうか……」
「いいじゃん、なんかちょっと楽しそう」
「えぇ!? た、楽しそうって……」
「まぁ、所詮、他人事だからね~」
「律ぅ……」
私にとっては、楽しい要素なんてまったくないよ……。



