「わ、笑うなよ! っていうか、はやく家に入れって!」
「うん」
「明日は遅刻ギリギリになんなよ、チビ」
「うざ……」
優しくても、結局最後は憎まれ口たたくんだから……。
でも今日はちょっと林に助けられたから、大目に見てあげよう。
「じゃあね」
「おう」
私はまた手を振って、家の中に入った。
「ただいまー」
靴を脱いでいると、リビングからお母さんが出てきた。
「おかえり、桜菜。朝、遅刻しなかった?」
「うん、なんとかね。今日の晩ごはん、なに?」
「今日はねー、桜菜の好きなハンバーグよ」
「やったー!」
自分の部屋に荷物を置いて着替えると、食卓についた。
テーブルには大好物のハンバーグが置いてある。