――キーンコーン。
「ふぅ……」
なんとか予鈴ギリギリに校門をくぐることができて、ホッと胸をなでおろしていると。
「お、チビおはよ」
「……わっ!」
いきなりうしろから肩をたたかれて、コケそうになる。
それと同時に、聞き覚えのある声にゲッと、自分でも表情がゆがむのがわかった。
「ちょっと! コケたらどうしてくれんの!」
「ちぇ、コケればよかったのに」
振り返ると予想どおり、同じクラスの林琥汰(はやしこうた)がいた。
林は席がとなり同士で、なぜかやたらと私にからんできたり、からかってきたり、バカにしてくる。
そして、いつも私のことをチビとかバカとか、ヒドイ呼び方をしてくる。
私以外の女子には優しいクセに!
ちょっと顔がよくてモテるからって、調子のってるよ絶対……。
ナルシストはほんと嫌い! 寒気がする!