「せっかくだし、一緒に帰ろうぜ」
俺は思いきって、そんなことを言ってみる。
桜菜はいっつも福山と帰ってるから、一緒に帰るチャンスは今日しかない!
「はぁ? 絶対イヤ! ひとりで帰る!」
桜菜はイヤそうな表情をして、先に帰ろうとする。
……ここで引きさがってちゃ、前に進めないよな。
俺は桜菜の腕をつかんだ。
あぁ、つかんでしまった。
桜菜に触れてしまった。
コイツ、腕こんなに細かったんだ……。
って、そんなこと考えてる場合じゃねぇ!
「たっ、たまにはいいだろ」
「なんでアンタと一緒に帰らなきゃ……」
「俺が一緒に帰りたいからだよ!」
……あ、言ってしまった。
思わず本音が出てしまった。
俺の気持ちに気づかれたか?
「そ、そのアレだよ! もう暗いし、お前も一応……お、女だし? 世の中物騒だから、その、一緒に帰ってやるってこと!」
と、焦ってごまかす。



