「林!」
下駄箱のところで誰かに呼ばれた。
見ると、そこには俺のリュックをかかえた桜菜がいた。
「あれ、お前なんで……」
「時間もったいないから、教室の鍵閉めて、担任に報告してきたよ。はい、これ」
桜菜はそう言ってリュックを俺に投げた。
そのリュックをしっかり受け取る。
マジかよ……。
カッコつけようと思ったのに。
結局俺は、桜菜には勝てねぇな……。
「さんきゅ」
「その……さっきのお礼みたいなものだから! いつもだったら余裕で林に全部まかせて帰ってたからね!」
俺の礼の言葉に、焦ったようにそう言った桜菜。
それでも俺はうれしかった。



