「ま、またなんか虫とかいたら言えよ。虫くらいなら、俺がどっかにやってやるから」
「う、うん」
あ~、全然ダメだ。
俺が桜菜を意識しすぎてる。
こんなに動揺して、赤くなってる俺に対して、桜菜は平然としている。
なんだよコイツ……。
結局いつもドキドキしてんのは、俺だけなんだ。
そのあとひととおり掃除が終わり、ごみ箱から袋を取り出して口をしばった。
「じゃ、俺、ゴミ捨ててくるから。先帰っていいけど」
結構ごみ入ってて重いし、桜菜に行かせるのも待たせるのも、俺のプライドが許さない。
「え、いいの?」
「あぁ」
最後くらい、かっこつけたいし。
桜菜にとっては、カッコよくもなんともないんだろうけど。
「ありがとうっ」
俺はごみの入った袋を持って、ゴミ捨て場に向かった。
ゴミ捨て場は下駄箱の前を通って、昇降口とは逆方向の出口を出たところにある。
はぁ、ゴミ捨て場、遠いな……。
ここからまた教室に戻って担任に報告して帰らなきゃいけねぇのか。
めんどくせぇ。
てか、もう日が落ちかけてんな……。
そんなことを思いながらゴミ捨て場にゴミを捨て、教室に戻ろうとしたときだった。



