「なぁ」
とりあえず声をかけてみる。
「あのさぁ、話しかけないでくれる? 私、さっさと終わらせて家に帰りたいの!」
……が、桜菜は俺をにらんでそう言い放つと、またホウキで床を掃きはじめた。
あー……俺、やっぱ嫌われてんな。
いつから俺はアピールの道を踏みはずしたんだろう。
っていうか、最初っから踏みはずしてたのかもしれない。
優しくするなんて、ガラじゃねぇっていうか……。
ちょっとはずかしい。
どうしたらコイツは、俺のことを好きになってくれる?
どうしたらコイツは、俺が好きだって気づいてくれる?
考えてもまったく答えは出てこない。
桜菜にはいっつも憎まれ口ばっかりたたいてしまう。
桜菜の反応がおもしろくて、かわいいから。
でも、それじゃダメだな。
もう少し優しくしてみよう。
そうすれば、少しは桜菜も俺のこと……。
よし、がんばってみよう。



